なぜ新たなビジネスが必要なのか?アイデアの出し方を学ぶ~第4回ビジネス研修 in 伊万里~

初めまして。

研修などでことあるごとに発言、発表する男、やまやコミュニケーションズで長期インターンシップをしております、吉田直輝です。
本稿では、1月15日に開催された第4回ビジネス研修の講義の様子をお届けいたします。

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博多といえば明太子!!|やまやコミュニケーションズ

2016.12.27

 

今回の研修会場は佐賀県伊万里市。私は初めて伊万里市に訪れたので、ぼんやりと田舎なのかなというイメージをもっていましたが、会場である「PORTO3316」に立ち入った瞬間、そのイメージはいい意味で裏切られました。

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「…??…いきなり東京のおしゃれ空間になった!?」
統一感のあるインテリア、様々なつくりのワークスペース。一瞬ここは東京かと思うくらいの雰囲気を醸し出していました。他のインターンシップ生も、PORTO3316の格好良さに驚きながらの講義。早速内容を見ていきましょう!!

PORTO3316imariの公式ホームページ
『佐賀県伊万里市のシェアリングエコノミー、最先端技術を活用した新産業創造センター 『PORTO3316IMARI』』

 

目次

  1.  新たなビジネスをつくる
    1. なぜ新しいビジネスを考えるべきなのか
    2.  能力を身につけるために
    3. 変化による影響
  2.  アイデアを考える
    1. アイデア創出のきっかけ
    2. アイデア創出
    3. アイデアを試す
    4. アイデアを完成させる

 

1. 新たなビジネスをつくる

1.1 なぜ新しいビジネスを考えるべきなのか

 【講師紹介】森戸裕一 氏
株式会社ナレッジネットワーク 代表取締役
全国47都道府県で2000回を超える中小・中堅企業向けの情報化セミナー講師を担当。

 

「今、新しいビジネスを考えられないことは非常に危険なことだ」

森戸さんは、初めにそう述べました。

いま、IoT(Internet of Thing)の浸透によって仕事の数が減っています。例を挙げると、工場の点検はどうでしょうか。オンラインで機械のパフォーマンスを報告する仕組みを用いることで、その仕事はなくなってしまうのではないかと思います。
ですが、雇用の数は守らなければならない。それはつまり、新たなビジネスをつくらなければならないと言えるでしょう。

さらに、労働集約的業務がAIなどに代替できるようになったことで、「時間と場所」の制約を受けない働き方が可能となりました。
これに関しては、私達も日々、SkypeやFacebookで恩恵を受けていますね。充実のバックアップがある本インターンシップは、Facebookなくして成り立たないのではないかとさえ思います。

また、昨今少子高齢化問題が叫ばれていますが、何も悪いことばかりではありません。その状態こそが、私たち若者を貴重な存在としてくれています。しかし、時が経って若者でなくなってしまったときになにも身についていないと、どこからも求められません。だからこそ、若者であるうちに能力をつける必要があるのです。

 

1.2 能力を身につけるために

「能力をつける必要がある」と言われても、何をすれば分からなくなってしまうこともあると思います。その疑問に対して森戸さんは、成長するために最も大切なこととして「素直さ」を挙げました。
一見当たり前のようですが、人に何かを指摘されたとき、自分の中でそれを一度受け止められているのでしょうか?思い返すと意外にできていなかったという人もいるかと思います。私もできていないことがあるなと思い知りました。

能力をつけるためにも人に指摘されたとき、信じてまず試してみる素直さを大切にしましょう。変に自分のやり方にこだわりすぎる様では成長はできません。

 

1.2変化による影響

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(画像:wikipedia)

先程述べたIoTやAIなどの導入により、いま仕事自体が変化しています。それによって、今まで新卒採用で重要とされてきたある項目の重要性が変化してきました。

そう、学歴です。

これまでの採用で学歴の高い人をとる必要があったのは、PDCA(Plan Do See Act)に基づく仕事が多かったからです。変化の少ない現場から、想定外のことが起こる現場になった現在は、PDCAよりもOODA*(Observe Orient Decide Act)に基づいた仕事が求められています。その変化により、Planに時間をかけず、イニシャルコストがかからなければやってみる精神が重要となっています。

OODA*・・・「観察(Observe)・方向付け(Orient)・決心(Decide)・実行(Act)」を繰り返すサイクルです。PDCAとの最大の違いはPDCAが自分たちの計画から入るのに対し、OODAは対象の観察から始まるところです。事前の計画重視ではなくスピード感があることがOODAの長所となっています。

 

2.アイデアを考える

ここでは、アイデア創出のきっかけ(目的)やアイデアを出すための手法を学び、アイデアを完成させるまでのプロセスを解説します。

2-1.アイデア創出のきっかけ

イノベーションは、 ”ある人” を幸せにする、と考えることから始まります。”ある人”とは誰か?本当の不満は何か?それらを深く深く探るうちにアイデアが生まれてきます。ここでは目的を見つけることがゴールです。
アイデア創出のきっかけを作るにはまず以下の5つのステップを踏みましょう。

アイデア創出きっかけ

上記の5つのステップについて詳しく解説してきます。

①実在の一人を見つける&②不満を見つける、共感する(共感できる)

たった1人の根本にある不満を見つける
ここでいうたった1人とは、架空の人物でもマーケティングのペルソナでもいけません。身近にいる○○さんをイメージする必要があります。そして、徹底的にその人について調べ、その人の経験を理解し、不満を知ります。

 

③矛盾を見つける

トレードオフにある2つの不満を解消する
矛盾を発見するためには、トレードオフがあることと未解決の課題があることを、等しく捉える必要があるでしょう。トレードオフにある2つの矛盾を解消することとは、同時には解消できない状態にある不満を解消するということです。

その上で、課題とそれに対する制約を明確にし、不満を見つけます。その際に、どのような時にどのような場面で生じる不満なのかを明らかにし、不満解消をあきらめている理由を探り、不満を解消していきます。さらに、その不満の解消によって新たに発生する不満を見つけて、先程の手順を繰り返していくのです。

 

④ユーザーの声を聞く

まず、実在の1人が経験したことに着目して対象者を抽出します。仮説を直接たずねるようなインタビューはしないことに気をつけて、今すぐにでも解消したい不満かどうかを確認します。そして、ユーザー像を拡張していきます。

 

⑤目的を定義する

はじめに、「実在の1人」の特性を抽出して、主人公を定義します。その後、主人公、シーン、実現したい状態の3つの要素を含む目的(発見した矛盾が解消された状態)を明確にしていきます。

 

2-2.アイデア創出

アイデア創出をするときも、はじめに5つのステップを踏みましょう。

アイデア創出

 

①部品を見つける

まず、アイデアとはなんでしょうか?アイデアとは、要素と要素の新しい組み合わせ(足し算、引き算、掛け算、割り算)のことです。

例を挙げると…

■足し算:カメラ付き携帯電話(携帯電話というアイデアにカメラという新しい機能を付け加えている)
■引き算:キリンフリー(アルコールを抜くことで価値を生み出している)
■掛け算:シャープサイクロン掃除機(異質な要素同士を組み合わせて従来のものとは別のものを創り出している)
■割り算:ホットジンジャーエール(冷たい飲み物を暖かくすることで、従来の価値を逆転させて新たな価値を出している)

などがあります。アイデアを考えるときは種類の多いアイデアをいかに多く出すかが重要です。

 

②提供価値(エッセンス)を抽出する

先に提供価値を思い浮かべたり、考えながらでは面白いアイデアは出ません。ですので、アイデアを出して提供価値を抽出していきます。どこから抽出するか?にも自分たちのアイデアからだったり、既存プロダクト、サービスから価値、弱点を抽出するというやり方があります。提供価値は1つだけではなく3つ以上あることが望ましいです。

 

③エッセンスを統合する

ここで、トレードオフを含んだ不満を解消します。そのために、いくつかの要素を同時に実現する統合的思考が大切になってきます。

 

④アイデアを壊す(アイデアを発展させる)

対極の手段と提供価値を考え、手段と手段を前提とした提供価値を掛け合わせることによって「新しいアイデア」のエリアが3つ生まれます。
対極の手段を考えること(手段を疑う)は、過去の常識や枠組みを見抜き、取り払うことにつながり、対極の提供価値を考えること(提供価値を疑う)は、過去に価値だったものは、現代~未来で価値になるかどうかを改めて検証することにつながります。

 

⑤アイデアを決める

アイデアを決める3つの基準とヒントがあります。3つの基準は ①意味が分かる人が少数である ②賛否両論が巻き起こる ③不可能ではない ことです。
これはなんですか?と聞かれることがビジネスのチャンスであり、限りなく不可能に近いが不可能ではないことが大切です。
3つのヒントは、 ①実現したいアイデア候補を選ぶ ②3つの基準に照らし合わせる ③選ぶ です。

 

2-3.アイデアを試す

アイデアを試す方法として以下の2つがあります。

アイデアを試す

それではこの2つについて詳しく見ていきましょう。

 

①プロトタイプを創る

プロトタイプ創りの3つのヒントはストーリー、機能、デザインを確かめることです。そして、プロトタイプは創り込まないことが重要となります。創り込むと、ユーザーが正直な意見を述べづらくなったり、コストや時間がかかりすぎたりする弊害が生まれてきてしまいます。

 

②ユーザーに試してもらう

まず、適切な人物(新しいものを率先して利用する人物)に試してもらうことが重要です。次にフィードバックに関してですが、ビジョン、理念、コンセプトだけを説明し、詳細説明は行わずに、共感を得てからどのような価値を感じたのかを話してもらいます。
また、否定的な意見とニーズの有無は別ものと考え、フィードバックを正しく解釈することが重要です。

 

2-4.アイデアを完成させる

最後に目的(実現を切実に願っているか)、バリュー(プロトタイプを踏まえ提供価値を確認する)、ハードル(使えたいけど使えないハードルは何か?)の3つを確認し、ハードルを超えるアイデアを考え完成させます。

最後に、実際にビジネスモデルの構築、発表を行って講義は終了しました。

 

最後に

今回は、新たなビジネスをつくる必要性と方法を学ぶことが出来ました。
繰り返し振り返ることで、理解を深めていきたいですね!
そして長期インターンシップにも活かせることは多いはずですので、より良い成果を目指して頑張っていきましょう!


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