【ビジップ卒業生】地域おこし協力隊の大屋謙太さん「常識にとらわれ、学生としての道から抜け出すのを恐れていた。」

ビジップCOO 平野です。

ビジップの卒業生に迫る連載も2弾目。今回は、福岡大学を2017年に卒業し、現在は佐賀県の多久市で地域おこし協力隊としてご活躍されている大屋謙太さんに、ビジップ時代のことを語っていただきました。

「学生時代に何をすればいいのか分からない」「常識に囚われている感覚がある」といった悩みを抱えている学生は、ぜひご一読ください。

大屋 謙太(おおや けんた)

福岡大学を2017年に卒業し、佐賀県多久市に地域おこし協力隊として赴任。ビジップでは、営業部に所属。
現在は、農業を主産業とする西多久町の活性化に関わる。地域の直売所の活性化や、250年前からその地域に受けつがれている伝統野菜『女山大根』などの販路拡大、加工品開発。
その他、地域の文化財等の地域資源を活用して地域の方々と一緒に地域の魅力発信のための活動を行っており、経済的な面も含めた地域活動の活性化を目指している。

 

学生時代に何をすればいいか分からなかった

ビジップに入社したのは大学3年生(2015年)の時です。

大学卒業後に、いつかは起業をしたいと考えていたんですが、正直何をすればいいか全くわかりませんでした。
起業する場合、協力者を得る力が必要不可欠だと考え、営業力を身に着けたいと考えていたので、とにかく営業ができる環境を探していました。

そんな時に偶然参加したビジネスプランコンテストにビジップが出場していて、当時のビジップ代表(九大生)がプレゼンをしていたのを見て、面白そうだなと感じたのがきっかけです。

学生が出場するコンテストだったのですが、見事ビジップが優勝し、賞金を獲得していました。

プレゼン内容(事業内容)は明らかに学生の域を超えていて、学生ではなく、いち社会人として企業を運営しているという意識が伝わってきたのを覚えています。

ビジップに入社して少しでも多くのことを学びたいと思ったのが入社した一番の理由でした。運よく、当時法人向けの事業もしており、すぐに営業部の一員として入社しました。

 

学生レベルを超えて社会と関わることが大事

ビジップに入って気づいたことは、社会について知りたいのであれば、社会人に会って話を聞いて、社会に入って仕事をしてみるしか方法はないということです。

また自分が成功したいと思うなら、学生のうちにできるだけたくさんの社会人に会い、自分が思う成功の定義を見つけるべきだと思います。それが非常に大きな財産になると思います。

それを実現できるのがビジップだと思いますし、学生レベルを超えて社会に触れたいと思う学生にとっては貴重な場所です。実際にビジップに入って仕事をしてみてから気づきました。

 

また大学を卒業して、仕事をしてみて気づいたのは、一人でできることは本当にたかが知れているということです。

できるだけたくさんの人と、強い思いを共有して、楽しみながら何かができれば、そこにはすごいエネルギーが生まれて、大きな価値が生まれるんだと思います。

社会人の方に限らず、より多くの人と学生のうちに友好な関係を気づくことができれば、それは、友人、知人としての関係としても、困ったときに力を貸してもらえる存在としても、非常に貴重な存在になると思います。

 

自分の頭を使って、自分で価値を生み出し、自分たちで未来を創っていく

ビジップに所属している時に、お話をさせていただいた多くの社会人、起業家の方々は、ご自身の力で社会に何かを生み出しているという方ばかりでした。

そういった方々の仕事に対する姿勢や考え方、また目の前にどんな世界が広がっていてそれらをどう捉えているのかといった、普通に学生生活をしていたら知ることのできなかった貴重なお話を聞くことができました。

私たちがこれから経験する時代は、技術革新によって、誰が誰に対してどんな方法で何を生み出していくのか、そのすべてが変わる可能性がある時代だと思います。

そこに飛び込んでいく前に、自分の頭を使って、自分で価値を生み出し、自分たちで未来を創っていくという考え方について教えていただいたことは、本当にありがたかったです。

 

これまでの常識にとらわれ、学生としての道から抜け出すのを恐れていた

ただ、今の仕事を始めて10か月が経とうとしていたころ、それまで登っていた階段が崩れ落ちていくような感覚がありました。

現在地域おこし協力隊として、イベント企画や集客、日常的な情報発信や人とのつながり作りなどをやっていますが、実はそのほとんどの仕事を、当時の自分以外のビジップメンバーは、学生ながら仕事としてやっていました。

しかし正直なところ私は、ビジップとして働いていた当時全くわからないことだらけで、戸惑い、仕事に本気で取り組めていませんでした。

 

初めてのことで分からないことがあるのは当然ですが、それを周りの人に聞こうとせず、積極的に取り組むことができていませんでした。

素晴らしい環境に身を置きながら、それまでの常識にとらわれ、学生としての道から抜け出すのを恐れていました

 

さらに、それに気づいたのはつい最近のことです。

自分で選択することをやめ、一般的な道、自分の意思で選択しなくていい道を通っていることに気付き、自分の無力さを感じ、将来に強烈な不安を感じました。

しかし、今のままでは確実に将来仕事がなくなるという危機感を持つことができ、自分の頭で考え、人との関係づくりを大切にし、価値創造をしていくことの重要性に、今改めて気づくことができて本当に良かったと思います。

これはおそらく、ビジップに入って働いていなかったら気づかなかったと思います。

 

根拠のない常識で作られたガラスの階段はぶち壊し、自分の力で自分の階段を作るべき

自分が登ってきた階段はおそらくガラスの階段で、いつか自分で壊すべきだったんだと思います。

ガラスの階段はいつ壊れるかわかりません。もし頂上まで登ることができたとしても、それはおそらく周りに流され、決定権を委ねた結果、自分が本当に行きたかった方向とは違う方向に行ってしまっていた可能性が高いのです。

 

私以外のビジップの方は、とてつもなく優秀方ばかりだったので、おそらく、そんなことにはとっくに気付いていたんだと思います。

根拠のない常識でできたガラスの階段をぶち壊し、一から自分自身の力でセメントの階段を創っていくような道具(社会で戦うための武器)と材料(知識や考え方)をすでに持った状態で社会に飛び込んで行っているんだと思います。

 

大学生に戻るとしたら、、、

現役の大学生にアドバイスが出来るような立場でもない気がするので、もしもう一度自分が大学生活を送るとしたらという話をさせてもらいます。

もし自分がもう一度大学生に戻ったとしたら、

・ポジティブに考える
・やりたいことをとことんやる

この2つを重視して大学生活を送ると思います。

ポジティブに考えられる人は、「今を楽しもう」とか「今日より明日の方が楽しいはず」だと思って、今を一生懸命頑張れる人だと思います。

行動量とパフォーマンスも、ネガティブな考え方をもつ人よりは高い場合が多いと思いますし、行動から得られるものを考えると、経験値や知識量など、あらゆる面から見た成長速度も圧倒的に早いと思います。

悩んだり他の人を気にしてしまう人は、アクセルを踏んだとしても、その前にブレーキもおもいっきり踏んでしまっているので成長速度もそこまで速くはならないでしょうし、精神的な負担は無駄に大きくなってしまうと思います。

 

やりたいことを見つけてとことんやってみる

ビジップで活動している時に学んだことですが、これから先の時代、仕事をしていく上で距離や時間などの制約はどんどんなくなって行きます。

距離や時間などの制約がなくなるということは、自分を仕事相手として選んでもらえる可能性がある人の数が増えるということです。
なんでもそうだと思いますが、選んでもらう前には、まず認識してもらわなければいけないと言う前提があります。

そのためには自分にしかできない仕事、自分だけの強み、特徴を持っている人の方が有利だと思いますし、それは自分がやりたいことをとことん突き詰めた結果から生まれるものだと思います。

なので大学生活で大事にすべきなのは、『やりたいことを見つけてとことんやってみる、それが違ったら別のやりたいことを見つけてまたそれをとことんやってみる』だと思います。

 

やりたいことが見つからない人がやりたいことは「やりたいことを見つけること」

あと、やりたいことが見つからず悩み続けているという方に気づいてほしいのは、やりたいことが見つからない人が1番やりたいことは、やりたいことを見つけることだということです。

早くやりたいことを見つけて、そこに出来るだけ長い時間を使った方がいいと思うので、まずはやりたいことを見つけることに全力を注ぐことが大切かなと思います。

やりたいことを見つけるためには、多くの場所に行き、多くの経験をし、多くの人と出会い、多くの人の生き方に触れることが大切です。

そういったものを蓄積していって、そこからどういった考えが生まれるか、そういった外部からの刺激に対して自分がどういった反応をするのかといったことから、自分が何をしたいかを見つけると言うやり方も効果的なんじゃないかなと思います。

と言うふうな考えを持ってもう一度大学生活を送れたら、かなり価値のある大学生活になるのかなと思います。

 

僕からは以上です。

人生について考えたり、就職について考えるのはすごくエネルギーが必要で大変なことと思います。

でもせっかくの大学生活なので、大学生活を楽しみながら、一歩一歩自分の理想の将来に近づけるように頑張ってください!^^

 

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編集後記(平野)

僕もずっと大屋さんと一緒にいましたが、本当に人柄も良く、周りを包み込むような風貌をしているので、すごく営業向きだなと思っていました。
自分の意見を押し付けるというよりは、周りに意見をしっかり聞ける。お客さん(ユーザー)の話に真摯に向き合える、そんな素晴らしい人だなと思っていました。

ただ、本人も記事中で言っていた通り、少なからず、ビジップにいた頃に心残りがあるのではと思い、今回記事として公開させていただくオファーを出させていただきました。
そのオファーにもすぐに答えていただきました。本当にありがとうございます。

「学生のうちに何を残したか、何を成し遂げたか」も、もちろん大事ですが、どういう思考の人たちと過ごしてきたのか、どういう環境で過ごしたのかが、とても重要だと思います。

大屋さんが仰っているガラスの階段はまさしく「根拠のない常識で作られた、非常に脆い階段」で、自分の頭で考え、自分の力で作り上げた階段とは、大きな差があると思います。
そこに気付けるだけの経験を学生時代にしてる人と、社会人になってから経験する人は、その後の人生が大きく変わるのではないでしょうか。