求められる人材になるため必要なスキルとマインドとは?長期インターンシップの意義を再確認!@3/1長期インターンシップ推進事業 成果報告会

こんにちは!株式会社 三松インターンシップ生の平江です。
3/17の最終報告会に、就活に、人によっては花粉に(?)、いろいろなムズムズを伴うシーズンに突入しましたね。

平江さんの長期インターンシップ先企業の紹介はこちら!

縁の下の力持ち!ものづくりを支える三松

2017.01.30

 

本記事では、3月1日に行われた、長期インターンシップ推進事業 成果報告会についてご報告いたします!

この報告会は、「スキルとマインドをバランスよくもちながら行動に移せる人材を育成!〜学生と企業、大学が三方良しになる長期インターンシップとは〜」をテーマに、大学ネットワークふくおか(福岡都市圏20大学・福岡商工会議所・福岡市で構成され、大学生の就職支援等を行う)によって開催されたものです。

長期インターンシップのさらなる事業推進のため、人材育成についての最新動向や、受け入れ企業・参加学生らのナマの声を通じ、その成果と意義を明らかにしようという内容でした。

ちょうど、いわゆる「就活解禁日」に行われたこの報告会。今後、求められる人材になっていくためにはどのようなスキルとマインドが必要なのか、そしてそれらは長期インターンシップの中でどう身に着けられるのか…。まさに今回のお話には、長期インターンに身を投じつつ、就職活動を始めた私にとってハッと気づかされるところが多くありました。

ここでは、第1部で行われた伊藤羊一さんによる基調講演、また第3部のパネルディスカッション(企業編)の2つをレポートさせて頂きます!
(我らが富安さんと新郷君が大活躍した、第2部のパネルディスカッション(学生編)については以下の記事をチェック!)

 

▼目次

1.Yahoo!の「人財」への考え方

・ヤフー=人材開発企業
・多様なこれからの働き方
・次世代のリーダーを生み出す、3つの’Lead’

2.これから求められる人材とは

・「自立&自律」
・イノベ―ティブな人材へ

3.今後の日本

・「超」少子高齢化社会を支えるために

 

第1部 基調講演「変化する人材育成の在り方とインターンシップの魅力」

講師:ヤフー株式会社 Yahoo!アカデミア 学長 伊藤羊一氏

伊藤羊一氏

東京大学経済学部卒。グロービス・オリジナル・MBAプログラム(GDBA)修了。
1990年に日本興業銀行入行、企業金融、事業再生支援ほかに従事。2003年プラス株式会社に転じ、流通カンパニーにてロジスティックス再編、グループ事業再編などを担当したのち、2011年執行役員マーケティング本部長、2012年より同ヴァイスプレジデントとして事業全般を統括。
2015年4月ヤフー株式会社に転じ、次世代リーダー育成を行う。グロービス経営大学院でリーダー養成講座の教壇に立つほか、IBM Blue Hub、KDDIムゲンラボ、MUFG Fintechアクセラレーター、学研アクセラレーター、森永アクセラレーター、code Republicなどのインキュベーションプログラムでメンター、アドバイザーを務める。

 

1.Yahoo!の「人財」への考え方

ヤフー株式会社で、Yahoo!アカデミア、つまり企業内大学の先生されているされている伊藤さん。変化の激しいIT業界では特に、「人がすべて」、「働いている人のテンションがそのまま生産性に直結する」と伊藤さんは言います。様々なイノベーションを起こしてきたヤフーは、どういった「人材観」を持ち、人を育てる仕掛けを作っているのでしょうか?そこから「働き方」を選ぶということや、制度内で自立していく重要性が見えてきました。

◯ヤフー=人材開発企業

社員一人一人の才能と情熱を解き放ち、最速で成長させる「人財開発企業」になる、という思想がヤフーの人材育成戦略の根幹にあると言います。その「人財開発企業」実現のため、「現場での経験学習(OJT…On the Job Training)」と「キャリアの自立」を重視しているそうです。仕事から学び、その学びを確実にモノにし、自由な選択肢から意思を持って自らキャリアを選び取っていくーそういった流れを作り出すため、様々な仕掛けが行われています。いくつか紹介すると…

<経験学習の最大化のために>
・1on1ミーティング
メンバーとマネージャーが週1回30分、1対1で面談。進捗確認にとどまらずコーチングを行い、OJTの中での学びを言語化・フィードバックしていく。

・人財開発会議
1人のメンバーの育成について、他のメンバーが(対象となる本人のいない場で !)今後どうしていくべきか語り合う。

<キャリアの自立>
・ジョブチェン制度
3年勤務すると、自ら行きたい部署を申請できる。実績等を吟味され、実現する割合は約50%。会社の都合よりも、個人の意思に重きをおくヤフーならではの大胆な制度。

伊藤さんは、「自分で考え、仕事を作り出す人財を育てたい」と言います。これらの制度は、単に会社から与えられるものなのではなく、自分で考え決断していく環境を提供しているだけ、という伊藤さんの姿勢が印象的でした。

◯多様なこれからの働き方

キャリア選択と同様、「働き方」に関してもヤフーは幅広い選択肢を社員一人一人に提供しています。

例えば、月に5回までオフィス以外どこでも仕事ができる「どこでもオフィス」。通勤手段は「新幹線でも自転車でもOK」。また、あえて不規則に配置された机と、好きな位置で仕事をすることで新たな出会い・イノベーションを生み出す「フリーアドレス型オフィス」。さらに、本業に必ずプラスになるから、という信念のもとでの「複業」解禁。

しかし、これらの自由な働き方の中で、あくまで「自分で決める」ことに意味があると伊藤さんは言います。

今後、このような働き方革命の流れはさらに加速し、広まっていくだろうとのことでした。これから仕事を選んでいく際には、仕事の内容や社風だけでなく、「働き方」の展望、そして自分がどう働いていきたいのか、というところまで抑えておくべきかもしれません。

◯次世代のリーダーを生み出す、3つの’Lead’

このように、「自分で考える」「自分で決める」ことが、ヤフーの自由な環境で重視されています。

ここで伊藤さんは、これから仕事を作り出していくような社員となっていくためには、3段階の「リーダーシップ」が必要だと言いました。

①Lead the Self.

②Lead the People.

③Lead the Society.

つまり、リーダーシップを発揮して人や社会を動かしていくには、まずは自分の力で自分を導ける人間にならなくてはならない、ということです。

”リーダー”というと”他人への働きかけ”だと、つい目を向けてしまいがちですが、まずは自分自身を納得いく方向に引っ張っていく努力が欠かせない、という点はとてもグサッと刺さるものがありました。

2. これから求められる人材とは

①「自立&自律」

ずっと話があったように、これからは自立して考え行動し、自律のもとにキャリアをつかみ取っていく人材が求められています。企業軸ではなく、「こういう価値を自分は提供したい、だからこの企業で働こう」という自分軸が働くうえでも必要です。そして、「貪欲なインプットとアウトプット」、「倫理観」、チームで働くうえでの「利他の精神」といったものが不可欠になると伊藤さんは言います。

②イノベ―ティブ

イノベ―ティブであること、つまり「未来を描き、つなげ、そしてやり抜く力」を持っていることがこれから必要とされる人財の条件だ、と言う伊藤さん。要素を「つなげて」新たな結合を生み出すこと(純粋に0から1を作ることはそうたやすいことではない)、またそれをやり遂げること(なにかを変えてやるんだという強い意気込みを持つ)ができてこそ、社会への価値提供が可能になるのだというお話でした。

3. 今後の日本ー「超」少子高齢化社会を支えるために

もう景気循環だけで日本の経済は語れない、と伊藤さんは話します。これからの5年で生産年齢人口が約500万人(まるごと福岡県の人口に相当!)減少し、このままだとあと40年で日本の経済規模はおよそ半分に縮小してしまう、という他国に類を見ない人口減少により、構造的に衰退する環境に直面しているとのことでした。だからこそ、新たな人財が育ち、日本を支えられるようにならなければなりません。

「未来の日本を救うのは、あなたたち若きリーダーだ」という伊藤さんの強いメッセージでこの基調講演は締めくくられました。

 

第3部 パネルディスカッションー企業編

~受け入れ企業から見た「長期インターンシップの意義と課題」とは?~

パネラー
・株式会社三松 代表取締役 田名部徹朗氏
・株式会社博運社 経営本部人事部部長 市丸英明氏
・ヤフー株式会社 Yahoo!アカデミア 学長 伊藤羊一氏
・特定非営利活動法人 ASIA理事 庵博文氏
モデレーター
・ビジップ株式会社 代表取締役 森戸裕一氏

第3部は森戸社長の進行のもと、ビジップの長期インターンを通じて私が直接お世話になっている三松の田名部社長、また、博運社(NPO法人ASIAによる、アジア展開をテーマとしたプロジェクト「Break through」で長期インターン生を受け入れている福岡の運送会社)の市丸さんらによるパネルディスカッションが行われました。

受け入れ企業の方から見た「長期インターンシップ」、そして求める人材像等について、いくつか出た話をまとめます。

◯長期インターン生を受け入れるメリットと負担

学生目線の意見を取り入れ、自社の新たな可能性を見出せるという点にインターン受け入れのメリットを感じる、と両者のご意見がありました。短期では「お客さん」になってしまいがちなインターン生も、半年やそれ以上いれば、お客さんを超えた関係になって真剣勝負ができる、という意義があると言います。

一方、多忙な通常業務の中で受け入れを行うことには、負担が重いことも事実。市丸さんからは、「守→破→離」のスタイル(前半で会社についての理解を十分に深めたうえで、あとは自分達で考え、会社主導の動きから離れて活動させる)をとることで、企業側の負担もある程度減らせるのではないかと言っていました。

◯今後の長期インターンの在り方について

・「有給」か「無給」か
まずはアルバイトとインターンシップの違いを考えることが不可欠だと言います。時間への対価を得ることを目的に、決められた仕事をこなすのか、それとも目的意識を持って成果にコミットしていくのか。インターンシップ受け入れ企業としては、学校では得られない経験を提供する、というスタイルを現在取っている一方で、家計の困難によりインターンシップ参加を躊躇している学生がいるならば、「有給」という形も検討しなけらばならないのではないか、という議論が行われました。

・採用の新しいスタイルになっていくか
長期インターンシップで活躍した学生をそのまま本採用につなげることができれば企業側にとっては大きな収穫となります。しかし、いまのところ2社での実例はなく、短期のインターンシップ生でも数としては多くないとのことでした。今後の採用スタイルの変革の中では、インターンシップが前提となった採用活動が一般化してくる可能性も十分にあります。しかし、企業それぞれの事情ごとに、まだインターンシップと採用をつなぐ課題はありそうです。

◯これから求める人材像

「やはり情報系の知識、スキル、ロジックは必須になってくる」と言う田名部社長。’IT企業’という縦割りのジャンルはもうすぐなくなり、製造業含め様々な仕事のベースのスキルになっていくだろうという話が出ていました。

「知識は経験がないとスキルには変わらない」-’知っている’から’できる’に持っていくプロセスを長期のインターンシップでは学ぶことができます。何か生み出していく力が求められる時代において、この経験を持ったうえで学生生活を送る重要性は増していくだろうとのことでした。

「常に好奇心、興味を持っておくこと」「たくさんのムダな出会いを経験しておくこと」という意見が共通していたことも印象的でした。新しいものに対応していく人材になるためには、日々面白がって、様々なことに首を突っ込んでいくことも一つの才能なのかもしれません。

長くなりましたが、第1部・第3部は以上です。

私が心に残ったのは、「働くってこんなに楽しいのに、何であんなに就活生は皆、暗い顔しているんだろう」という伊藤さんの言葉です。インターンで感じた働くということの難しさ、そしてやりがいを感覚としてとどめておくのではなく、「求められる人財にどこまで近づけただろう」と振り返っていくことが、これから仕事を作り出し楽しめることに繋がるのではないかと感じました。

また、インターン先である三松の田名部社長のお考えを直接お聞きできたことも大きな励みとなりました!

最後まで読んでいただきありがとうございました。


●こちらの記事も合わせて読みたい!

 

▲目次にもどる