広報・PRのプロに学ぶ、初心者のための「広報・PRとは?」

「何のために広報・PRをするのか?」

簡単に答えることができそうで、意外と難しいこの質問。皆さんはどのように考えますか?

インターネットの普及により、テレビや新聞に頼らずに、自ら情報を発信することができるようになりました。
つまり、「広告」だけに頼らずに、「広報・PR」がしやすい時代になったと言えます。

しかし、「広報・PRの重要性は理解しているが、具体的に何をしたらいいか分からない。」と困っている方は多いのではないでしょうか?

そこで、2017年5月12日に福岡にある「The company」で、広報・PR初心者のための勉強会がその業界のプロの方々によって開催されました。

PR Supporters_Study at Fukuoka 広報PRに必要なコト
講師
第一部:Sansan株式会社 コネクタ/Eight エヴァンジェリスト 日比谷 尚武氏
第二部:PR Supporters 代表理事 小堀 真保氏、Sansan株式会社 コネクタ/Eight エヴァンジェリスト 日比谷 尚武氏

(Facebookイベントページより引用)

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本記事では、「広報・PRのプロに学んだ、初心者が押さえておくべきポイント」をご紹介いたします。

▼目次

第一部 ~”弱いつながり”を意識する~

「弱いつながり」が活きる時代
弱いつながりを強める交流術

第二部 ~広報の基礎~

ターゲット&メッセージ
全体戦略
気をつけている事

最後に ~何を意識すべきか~


【第一部 ~”弱いつながり”を意識する~】

広報・PRという仕事において最も重要なのは、「人とのつながり」です。

そこで「広報・PRの始め方」の前に、まず「インターネットの普及による人と人とのつながりの変化」について考えてみましょう。

◆「弱いつながり」が活きる時代

インターネットの普及により、現代の社会では「人と人のつながり」が大きく広がりました。
特に、FacebookやTwitterといったSNSによって、社会ネットワーク論における「弱いつながり」に2つの大きな変化が生まれました。

一つ目が「人とのつながり」を可視化できるようになったことです。
インターネットが無かった時代は、冠婚葬祭・年賀状で人間関係の棚卸しを行い、電話・手紙によるやり取りを通して「人とのつながり」を確認していました。
しかし現在では、携帯の電話帳に登録している人・SNSのフォロー/フォロワーと気軽にチャットなどでやりとりをすることで、「人とのつながり」を確認することができます。

二つ目が「人とのつながり」を共有できるようになったことです。
人的ネットワークの可視化によって、自分のつながりが、自分だけでなく、友人や同僚からも見られるようになりました。SNSにある「共通の友人」などがその具体例です。
一つの「つながり」が、「新しいつながり」を次々に呼び込んでいくようになりました。

「強いつながり」と「弱いつながり」について

◆強いつながり
家族や友人、職場の同僚といった、社会的な関係性が強いこと
似たような環境にいるため、似たような知識や発想・価値観を持ち合わせる

◆弱いつながり
普段はあまり連絡をとらないような知人、同じ業界で働いている知り合いといった、社会的な関係性がそこまで強くないこと
SNS上”では”よく連絡を取り合うような関係性のことも該当する
普段は異なった環境にいるため、別々の価値観を持ち合わせる

「弱いつながり」というのは、社会構造を理解する上で、別に注目するに値しないものであるように思われますが、実は弱いつながりというものが、社会構造において非常に重要な役割を担っている。

(マーク・S.グラノヴェター(Mark S. Granovetter)“The Strength of Weak Ties”による社会ネットワークの概念の説明より)

◆弱いつながりを強める交流術

「弱いつながり」はビジネスを拡大させるためには欠かせません。
「弱いつながり」を強化するために、以下3つのタイミングを意識しましょう。

①出会う時

イベントなどで新しい人に出会った時、「相手に自分を正しく知ってもらうこと」は非常に重要です。
会社のことを伝えるのでなく、「自分個人はどのような人か」など特徴的なことを伝えるように心がけましょう。

②棚卸しの時

「人とのつながり」というのは、”いつ””どこで”活きてくるか分かりません。もしかしたら、今日たまたまあった人が、将来のお客さんになることだってあります。
棚卸しの際に、「人とのつながり」の軽重判断をしないようにしましょう。

③再会する時

②で説明したように、「人とのつながり」はいつ活きるか分かりません。つながりを強化する機会があれば、”自分から”積極的に情報提供すること”を意識しましょう。

 

【第二部 ~広報の基礎~】

「広報・PR」とは”コミュニケーションで人を動かす”ということです。
つまり広報・PRでは、「相手に合わせた情報発信」を意識しなければいけません。

そのためにも、まず初めに「ターゲット&メッセージ」「全体戦略」について考えましょう。

◆ターゲット&メッセージ

広報・PRでは、『「誰に」「なぜ」「何を」「どのように」伝えるのか』が重要です。
広報・PR初心者の方は、以下5つの手順でこれらを考えてみましょう。

①ターゲット、伝えたい相手は誰か?

一番最初に考えるのは、「誰に伝えるか」ということです。
企業における「人とのつながり」は決して、消費者や取引先企業だけではありません。
株主などの投資家・政府や地方自治体・金融機関など様々です。
広報・PRをする目的に応じて、ターゲットを選択することは非常に重要です。

②Action、ターゲットにどう動いてもらいたいか?

ターゲットを決めたら、そのターゲットとどのような関係を構築・維持するかを決めます。
たとえば、消費者との関係であれば「新商品を買ってもらいたい!」、社員との関係であれば「会社全体のモチベーションを上げたい!」などです。

補足
ターゲットとの関係性構築・維持を「パブリック・リレーションズ」と言います。

③Insight、ターゲットがどのように考えているか?

ターゲットに期待する行動を明確にしたら、「現時点で、ターゲットがどのように考えているのか」について仮説を立ててみましょう。
広報・PRの施策を繰り返す中で、ターゲットが何を考えているか、ある程度の傾向を見出すことができるかもしれません。

④メッセージ、何を伝えたら良いか?

①~③までを明確にすれば、何を伝えたら良いのか自ずと見えてきます。
ただし、ここで注意しなければいけないことが1点あります。
それは「どれくらい伝えられるか」です。「どれくらいの情報量を」「どれくらいの人に」伝えるのかを事前に考えておかなければ、対応しきれなくなる場合があります。
需要と供給のバランスを考えて伝えることが重要となります。

⑤チャネル、メッセージをどのように伝えたら良いか?

最後に、伝える相手と内容によって、広報・PRで用いる手段を考えましょう。
広報・PRの初心者が陥りがちなのが、「とりあえず、SNSを用いた広報・PRをしよう!」と理由もなしに手段を決めつけてしまうことです。
SNSの活用は、カスタマー・リレーションズの場合、有効な手段です。しかし、政府機関との関係であれば、不適切な手段になります。

補足
広報・PRで新聞・雑誌、TV/ラジオ・オウンドメディアなどのメディアを活用する”手法”は、「メディア・リレーションズ」と言います。

◆全体戦略

全体戦略とは、広報・PRが業務プロセスの中での立ち位置を意識することです。

「採用活動」を例に見てみましょう。「採用」という業務プロセスが、「学生への認知向上→学生とのコンタクト→学生からのエントリー→学生の惹き付け」という順番であると仮定します。
そのような場合、広報・PRは一番最初の「認知向上」を担う場合もあれば、一番最後の「惹き付け」を担う場合もあります。

広報・PRは業務プロセスの中でどのような活躍を期待されているのか、しっかりと見極めることが重要です。

◆気をつけている事

「ターゲット&メッセージ」「全体戦略」を考えることが、広報・PRを始める第一歩になります。
ただし、これらを考える際に気を付けなければいけないことが3点あります。

①キーメッセージ

まず一つ目が「キーメッセージ」です。
広報・PRでは、相手に応じて伝える内容を変化させなければいけません。

だからこそ、「結局何を伝えたいの?」とならないように、メッセージ全体の根幹となる「キーメッセージ」が必要となります。

②切り口

「何を伝えるべきか」「どのように伝えるべきか」を悩むことはあると思います。
その時は、企業全体の構造やキーメッセージを様々な切り口で考えるといいでしょう。

切り口というのは無数にあります。切り口を多く見つければ見つけるほど、企業の魅力を幅広く発信できます。

③ターゲット&メディア

最後に、ゴールとなるターゲットを意識すること・メディアとの関係性に気を付けましょう。

信用・信頼の獲得・メディアに対して提示する資料作成など、メディア側に「これは取材しないといけない!」と思わせるような広報・PRをすることが大切です。

例)Sansan名刺納め in 築地本願寺
1年の出会いに感謝!12月21日「Sansan名刺納め in 築地本願寺」開催
1年の出会いに感謝!「Sansan名刺納めin築地本願寺」を開催しました

Sansan株式会社様より引用

【最後に ~何を意識すべきか~】

「何のために広報・PRをするのか?」

冒頭でもお聞きしたこの質問、「”ターゲット”に”メッセージ”を届ける」を意識することが答えになるのではないでしょうか?

その一歩として、まずは「取材したくなる企業」となることが重要です。

・企業の信用・信頼できる、応援したくなる要素を、ストーリーにして提示する
・トレンドに合わせたネタ作り
・専門家としてのセルフブランディングを行う
など、広報・PRの手法は様々です。

以上が、広報・PRの始め方になります。ですが、広報・PRというのは、一朝一夕で上手になるものではありません。
お手本となる方を見つけたり、勉強会などで仲間作りをしていくことで徐々にレベルアップしていきましょう!

PRサポーターズについて
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PRサポーターズ公式ホームページより)


ビジップでは、大学生が中心となり、佐賀県伊万里市にある「PORTO3316imari」から伊万里の広報・PR活動、事業プロデュース活動を行っております。

昨年度の実績としては、
①地方の未来を担う人材育成を目的とした、地方創生大学(e-learning)を開講
地方創生大学
②佐賀県伊万里市のご当地検定「伊万里コンシェルジェ検定」をアプリ化
伊万里コンシェルジェ検定アプリ開発プロジェクト!市民参加型アプリ開発
などのプロデュースを行いました。

また昨年度は福岡でも、2年連続で長期インターンシップのコーディネートを行いました。今年度は福岡県ベンチャービジネス支援協議会が主催するフクオカベンチャーマーケット(FVM)のサポートなどを行う予定です。

ベンチャー企業とビジネスパーソンのマッチングの場『フクオカベンチャーマーケット(FVM)』のマネージャーにお会いしてきました

2017.05.23

興味のある方は、ビジップのコーポレートサイトからお問い合わせください。

 

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