7/18(水)、「九州シェアリングサミット2018 in 熊本」が「スマート光スクウェアくまもと」にて開催され、総勢約130名が来場した。シェアリングサミットは、今年の5月に第1回目が福岡で開催され、300名以上が参加した。
第2回目の今回は、インバインドに関するテーマが中心。4つのセッションをかいつまんで紹介する。
第1セッション『インバウンドなど体験サービス需要獲得のためのプロジェクトの作り方と地方創生』

・求められるのは「上質な旅」
訪日客が長期滞在し、しっかりと消費する仕掛け作り。
・地方に商機あり
「①そこにしかない体験」を「②そこだけの生活体験」はこれまで[点]で磨かれてきた。それらを地域サービス統括会社(DMO,DMCなど)がまとめて見える化し、「複数のコト消費をつないで作る少人数ツアー商品」として、地域として組織し[線][面]にする。祭りなどの取り組みにも可能性がある。
・シェアエコノミーとIT
先進のITによって、地域資源(スキル、ジカン、モノなど)を効率的に提供でき、最大限の価値を提供できる。
第2セッション『シェアリングで創る環境に優しい街づくり』

植木氏
シェアサイクルのサービスは、都市の抱える問題に対し、「CO2排出削減」「公共交通利用の促進」「ガソリンなどのエネルギー資源の節約」「交通混雑の緩和」などに有効である。
入江氏
・地方においても、ラストワンマイル(地方における2次交通不足の障壁)を打破する移動手段として注目されている。
・民間主導と行政主導で様式が異なり、また国によってその適した運用方法も変わる。
林田氏
・賃貸住宅は、[立地]と[築年数]が競争力の決定要因だったが、シェアハウスは差別化のため、[企画]と[管理]に重きを置いている。
・シェアハウスはコミュニティの創造を本質としている。運営のノウハウなどを、各シェアハウスのマネージャー間で共有し、新たなコミュニティの創出とノウハウの質の向上を手伝っている。
第3セッション『民旅 ✕ インバウンド ✕ 地域連携』

大堂氏
・「なければ、創る。なければ、借りる。」という事が、昔に比べて簡単になっている。
・古民家をリノベーションした学生寮やシェアハウスが、地域コミュニティの核になることで、様々な社会課題の解決や住人の成長の「環境」となっている。
道越氏
・情報発信は、継続的なものであり、いかに地域ブランドとして確立させファンを作っていくか。
・広報でSNSを運用する際は次を意識する。①訪日客の目線で②訪日前の段階で情報を提供し③書き手の人間味を織り交ぜて④コミュニケーションを丁寧に取り⑤動画もうまく活用しながら⑥訪日客自身に”旅跡”を拡散してもらう仕組みを作る。
・Facebookのユーザーターゲティング精度はとても高く信頼できる。ユーザー数も全世界16億5000万人と多く、特にアジア圏のシェア率が高い。
・海外に向けての発信において、国内での知名度は無関係。発信した者勝ちの市場である。
大津山氏
・訪日客は、最初の訪日では多くがゴールデンルート(東京、大阪、京都など)を訪れるが、2回目は九州などの地方へ訪れる割合が高い。アジア圏に至っては、距離も近くお手軽なイメージがある。
・九州はシニアライフ(セカンドライフ)として、U/Iターンしやすい土壌がある。
・地方創生はいかに行政が本気になって、地域の有志と障壁を突破していくか
第4セッション『One 九州 地域間連携による着地型観光先進国九州』

枌氏
・いま現在、観光客比率は[日本人:外国人=7:3]だが、2030年には[日本人:外国人=2:3]になると予想されている。
・特別な体験を食と組み合わせた、元々無価値の”場”に付加価値をつけてシェアし、新しい観光コンテンツにできる。
・『サイクルツーリズム』など、セグメント化されたターゲットがいて、その受け皿は統一されていない。コールセンターなどのインフラやスキルをONE九州としてシェアする。
西岡氏
・民泊でもない、車中泊需要が伸びてきている。電源をはじめ、Wi-Fiなどの様々なアメニティをパッケージ化し、キャンピングカーなどで九州を周遊促進のため、整備を進めている。
・レンタカーの稼働率は、空港周辺より宿周辺の方が高い傾向にある。
・冬に日本人はあまり旅行しないが、活発なアジア圏は非日常を味わうためにさらに活発になる傾向がある。
森戸氏
・シェアカーや民泊などの事業は、どうしても地場産業と競合してしまうが、そもそも地域の器を超える需要が発生しているなら問題ない。
・九州1300万人は経済圏として成立する。ONE九州構想。九州としてのリソースを最大限に活用すれば、世界を相手に通用する。
・みんながスマートフォンを持っているという状況を最大活用できるように考えなくてはならない。
・まずは誘客の仕掛けをする必要がある。地域で「できる事」しかやらないのではなく、必要になってから「できる事にする」というスタンスで行動すべき。