大盛況!九州シェアリングサミットin宮崎 インバウンド観光客の集客×シェアリング事業での受け皿つくり

10/19(金)、「九州シェアリングサミット2018 in 宮崎」が「MUKASA-HUB」にて開催された。シェアリングサミットは、今年の5月に福岡で第1回、7月に熊本で第2回、9月に鹿児島で第3回を行い、今回の宮崎で第4回を数える。

第1回・第2回・第3回の様子はこちら
第1回:http://bizship.jp/longterm_intern/next/qss2018
第2回:http://bizship.jp/longterm_intern/next/qss2018-kumamoto
第3回:http://bizship.jp/longterm_intern/next/qss-kagoshima

第4回目となる今回のシェアリングサミットのテーマは「インバウンド観光客の集客×シェアリング事業での受け皿つくり」。
今回のサミットも、マクロミル社に協賛いただいた。

MACROMILL ロゴ

第1セッション
One九州構想とシェアリングエコノミーの可能性

一般社団法人シェアリングエコノミー協会 事務局長 佐別当隆志氏
有限会社一平(九州パンケーキ)代表取締役 村岡浩司氏

一般社団法人シェアリングエコノミー協会 事務局長 佐別当氏は、シェアリングエコノミー領域mapを投影し、「空間」「モノ」「スキル」「移動」「お金」分野別の各種サービスを紹介した。その後、政府動向、シェアリングシティ、シェアライフをキーワードに、シェアリングエコノミーの可能性について語った。村岡氏との対談では、
・シェアリングエコノミーの浸透には、ITに対する理解度、閉鎖性(知人には心を開くが、他人には心を閉ざす)が大きく関係している。
・ITやシェアリングは目的ではなくこれらを活用して課題解決につなげることが大事。
・リノベーション、新しい空間創り、などは、ハコだけを作っても意味がない、そこで作られるネットワークを意識した仕掛けが必要。そういう意味でも、廃校を地域交流の場として活用することは大いに意味がある。
など、両氏の具体的な活動を踏まえたディスカッションが行われた。

第2セッション
インバウンド観光客を呼び込む仕組みと受け皿つくり

ANAホールディングスデジタルデザインラボ チーフディレクター 津田佳明氏
株式会社BEYOND 代表取締役 道越万由子氏
ひなた宮崎経済新聞 副編集長 恒吉浩之氏

津田氏は、「ANAデジタル・デザイン・ラボが描く『ANA×シェアエコ』」と題し、既存組織(ANA)とは一線を画したイノベーション創出部隊として発足した『デジタル・デザイン・ラボ』のシェアリングエコノミーの取り組みについて、出生地・出生者数の変化からの考察、シェアエコツーリズムモデル、今後キーとなりうるポイントなどを解説した。道越氏は、「『SNS×地方創生マーケティング』これからのインバウンドでの効率的情報発信による集客術とは!?」と題し、訪日外国人の行動パターンを理解したPR活動、継続的なファンづくりの重要性、SNSを活用する上での集客のポイントなど、事例を交えて解説した。北海道旭川市出身ながら宮崎に移住し「ひなた宮崎経済新聞」副編集長を務める恒吉氏は、インバウンド施策としての地元スナック街「ニシタチ」の活性化について語った。

上記3名の対談では、恒吉氏のアツい「ニシタチ活性化論」を引継ぎ、「日本のスナック文化」「名物ママさんコンテンツ」など、訪日外国人にとって新鮮にうつると思われるキーワードに、会場が大いに盛り上がった。参加者からの「着地型観光における事業コンテンツがキモになるが、歓楽街がないところにどうやってインバウンド客を導けばよいか」という質問に対しては、「日本人、特に地元民にみえていないだけで、訪日外国人に新鮮に映る自然の観光資源はたくさんあるはず。とにかく「名物」を有効活用し、普段の生活を見せる。在日外国人向けのワークショップ等、体験プランを作り、リアルな「声」を集めることからはじめてみてはどうか」とアドバイスがあった。

第3セッション
着地型観光をシェアリングエコノミーで実現する取り組み

株式会社ガイアックス TABICA事業部 地方創生室 室長 細川哲星氏
九州周遊観光活性化コンソーシアム 代表 西岡誠氏

細川氏は、実家近くの人気のない風景の写真を投影しながら「2040年には、896市区町村が消滅の危機に直面する」と語り、人口減少・少子高齢化により消滅の危機に直面している地方を変えるべくスタートさせた、CtoC体験販売サービスの「TABICA」について、直近の具体的な成果、そして、これからの展望を解説した。
新しい旅のカタチとして「車泊(くるまはく)」を提唱する西岡氏は、「着地型観光をシェアリングエコノミーで実現する取り組み」と題し、車泊の概要、九州観光ルート開発、旅のカタチの変化、などを解説した。また、自自体連携事例(予定)として、島原城での車泊体験プランを紹介した。

第4セッション
宮崎をさらに面白くするためのヒト・モノ・カネの集め方

株式トラストバンク 代表取締役 須永珠代氏
一般財団法人こゆ地域づくり推進機構(こゆ財団)執行理事 岡本哲二氏
九州シェアリングエコノミー推進協会 代表 森戸裕一氏

観光庁「地域活性化に向けた観光コンテンツ拡充会議」委員でもある須永氏は、「ふるさと納税はクラウドファンディングだ!」と題し、ふるさと納税の受入額及び受入件数の推移、ふるさと納税の市場、ふるさと納税でおこっていること、など、わかりやすく解説した。そして、ふるさと納税は「課題解決への資金調達となること」「民意の反映」が重要であると語り、「ふるさとチョイス」のコンセプト、考え方、活用例等を紹介した。
人口減少、高齢化、若者の流出、財政難など、地方が直面する課題に危機感を感じ、「地元を元気にしたい!」と、町長に自ら提案し、財団を設立した岡本氏は、「世界一チャレンジしやすいまち、新富町」と題し、財団法人設立の背景、稼いで町に再投資する地域商社のコンセプト、東京や学校との連携事例、メディア活用等、事例をふんだんに交えて語った。地域ビジネスのプラットフォームになりながら、大小さまざまな分野(飲食・福祉等)の課題解決を目指し、タイトルどおり、「世界一チャレンジしやすいまち」に向かって邁進中と締めくくった。

上記二氏と、主催団体の代表森戸との対談では、
・「ふるさと納税」がもたらすメリットは、資金面に限らず、インターネットを活用したマーケティングのノウハウもその一つである
・地域こそ、「ネットショップ」「キャッシュレス」「シェアリング」に敏感になり、取り入れるとよい
・九州の人口は1300万人。海外の観光客からも注目されており、将来的にもインバウンド観光客が増えることが予想されている。地域資源も豊富で、域外に販売できる商品やサービスを作るのにも適している。「One九州で考える」とは、九州に閉じこもるということではない、九州域外の方々に九州を楽しんでもらうという発想だ。
など、「ヒト・モノ・カネの集め方」のヒントとなるキーワードが飛び交った。

最後に、本日の司会進行を務めた、有限会社一平(九州パンケーキ)代表取締役 村岡浩司氏と、イベント主催団体代表の森戸のサプライズ対談が行われ、

「都道府県で考えるのではなく、One九州で考えると、シェアリングサービスは広がるのではないか。成功事例を集めて、東京でパッケージ化して、地域に展開する、という、部分最適を第一優先に考えて成功してきたが、最近はそうではない。今回のサミットのキーワードの一つでもある「人口減少」に直面している時代だからこそ、2つ目3つ目の軸をもった「地域モデル」が重要になる。このサミットが九州一周し終えた後、One九州としての実施を期待する。部分最適ともう一方の軸(→九州全体でどうかせぐか、もうかるか)を継続して考えていきたい」と語った。

 

最後の集合写真。宮崎は、「九州パンケーキ」でパチリ。

 

交流会で、九州パンケーキがふるまわれた。

11/12(月)には第5回となる九州シェアリングサミットが佐賀で、
12/05(水)には第6回となる九州シェアリングサミットが長崎で行われます。
それぞれの概要はこちらです。
第5回(佐賀):https://peraichi.com/landing_pages/view/sharingsaga
第6回(長崎):https://peraichi.com/landing_pages/view/nagasaki