リモートワークのプロは、こうして自己管理している。 「リモートワーク5つの極意」

働き方改革が盛り上がるなか、最近よく耳にするようになった「リモートワーク」

インターネットを駆使することで、働く場所を会社のオフィスに限定せずに仕事をする新しい働き方のことです。


学生主体で動いている当社も、学業と仕事の両立のためにリモートワークを実践しており、「大学、家、ときどきオフィス」と、場所にとらわれない働き方をしています。

しかし、「人のいないところで働く」というのは結構難しいもので、ひとりで仕事に向き合っているうちに心が折れてしまったり、やる気が維持できずに仕事が溜まる一方だったりなんてことがあります。

そこで今回、ノートパソコン1つ持って全国を行き来しながら働くリモートワークの熟練者に、「リモートワークの極意」を聞いてきました。

【櫻木諒太さん】
一般社団法人日本中小企業情報化支援協議会(JASISA)事務局長
一般財団法人ネットショップ能力認定機構(ACIR)研修コーディネーター 
ナレッジネットワーク株式会社

福岡県出身で、現在は東京を拠点に活動中。
IT×プロデュースの切り口で、地域や成長企業の支援に従事している。
自身も新しい働き方を実践しながら、意欲のある企業や地域の魅力を最大限に活かすための新規事業立ち上げ支援や、クラウド活用した地域間連携などに取り組む。

 

「櫻木さん、ズバリ、リモートワークに向いている人とは??」

 

「自己管理ができる人だと思います。」

自己管理。言葉にするのは簡単ですが、問題は「いったいどうやって?」ですよね。

いよいよここから、リモートワークの達人櫻木さんが実践している「リモートワーク5つの極意」をご紹介します。

目次

その1.自分だけの時間を作ること。

その2.休息・気分転換は意識的に。

その3.積極的に雑談をする。

その4.勤怠共有は徹底的に。

その5. オフラインの時間を一層大切に。

 


その1.7時から9時まで。自分だけの時間を作ること。


――スケジュール管理はどのようにされていますか。規定された労働時間がないからこそ、本来頭に思い描いていた通りに仕事に手を付けることができず、ずるずると後回しにしてしまうなんてことがあります。

毎朝6時に起床し、7~9時を「個人の仕事」の時間にしています。

これにはきちんと理由があって、
ほとんどの会社は9時に始業するので、9時以降は急な案件や仕事が入ってきやすく、自分が取りかかっていた仕事を中断しなければならないことって多いですよね。また夜も、会食やイベントが入ることが多いので、結構予定が乱れやすいものです。

ただ、「朝7~9時」という時間は、絶対に自分だけの時間です。

横やりがない時間と言いましょうか。自分だけの時間を午前中に確保し、事業やイベントの企画や資料の作成のような個人の作業に当てています。そして午後以降はどうしても集中力が切れやすいので、お客様先に行くなど、外に出る仕事を入れるようにしています。

「時間の性質によって仕事を決める」という感じですね。

複数のプロジェクトを抱えていても、時間帯によって仕事を決めておけば、てんやわんやにならずに済みます。

どうすれば朝に強くなるのか?

櫻木さんの場合、満員電車が嫌いで早起きをするようになったそう。
始業時間に合わせた電車に乗ると、車内混雑度は百何十パーセント…。仕事を始める前から疲れてしまいますよね。
しかし、ラッシュ時を避けて電車に乗ってしまえば、人ごみに疲労困憊する必要もなく、移動時間で軽微な仕事を片付けてしまうこともできます。早朝の電車は、意外とメリットが多いものです。


その2.休息・気分転換は意識的に。


――決まった出社時間がないと、仕事モードにスイッチを入れるのが難しいことがあります。オンオフの切り替えはどのようにされていますか。

人によって考え方は色々あると思いますが、私の場合オンオフを分けることはしていません。リモートワークというのは、「いつでもどこでも働ける」ということなので、オンオフを分けることが逆にストレスになってしまうんです。

「今、自分オフだから。」と言って、チームからの連絡や仕事に対応しないわけにはいかないですよね(笑)

だから、自分が一番働きやすい場所と時間を選びながら気分転換していくことで、常にオンの状態にしています。

もちろん、休まないという意味ではありません。むしろ、働く時間のパフォーマンスを最大化するために、意識的に休む時間を取っています。

それから、自分の発想の幅を狭めないためにも、仕事以外の時間を作ることも案外重要です。


その3.積極的に雑談をする。


――普段メンバーと仕事を共にしていない中で、チームの関係を構築していく方法はなんですか?

積極的に雑談することです。

相手に要件を言う前に、意識的に挨拶や雑談を挟むことで、コミュニケーションがしやすい土壌を作ります。
チャットであっても、雑談を通じて「あなたのことを気にかけているよ」というメッセージを送り合っていれば、チームの繋がりはかなり強くなります。それに、何気ない雑談から生まれる「おーそれいいね!」が新しいアイデアや仕事を生むこともあるんです。だから、飲み会やランチなど仕事以外の場を設けることも大事ですね。

それから、自分のおすすめの本を共有するのもチームで認識をすり合わせる1つの手です。自分の考え方を具現している書物を共有することで、自分と相手の間に共通言語(共通の価値観)を作ることができます。仕事を進める上で前提となる知識や考えを共有しているかしていないかで、チームのプロジェクトの進み具合が変わってきます。
実際に私が部下に仕事を教える場合は、よく本をトレイナー代わりに使っています。


その4.勤怠共有は徹底的に。


――リモートチームは、メンバーがそれぞれバラバラのスケジュールで動いているので、組織全体の動きが遅くなりがちですが、その点はどのように対処したら良いでしょうか。

勤怠管理が、かなり大切です。

「自分がいつ、どのくらいの時間働けるのか」「どの仕事をする予定なのか」また「連絡が取れない時間や仕事ができない時間」などを明確にして、チームで共有しておくことです。互いにスケジュールを把握しているかしていないかで、チーム全体の動きやすさが変わってきます。

ただ「すいません、今日は連絡が取れない日だったんです。」のような事後報告では遅すぎで、意味がありません(笑)
だから、朝イチで勤怠報告をすると良いと思います。

リモートチームにとってはこの勤怠共有がかなり重要なので、記事でも強調しておいてください!(笑)

当社でも、GoogleカレンダーやFacebookグループを使って自分の予定をチームに共有するというルールがありますが、意識しないとついサボってしまいます。だからこそ、自分の行動や習慣を律する自己管理能力が問われるというわけですね。改めて自分の行動を見直そうと思いました。 


その5.オフラインの時間は一層大事に。


――オフィスで働きたくなることはありませんか?リモートではどうしてもやりにくい仕事があると思うのですが…。

気分毎に働く場所を選びたいので、オフィスが恋しくなることはないです。満員電車に乗らなくて済みますしね。(笑)

ただ逆説的ですが、リモートで働く者にとって、オフラインの時間(直接チームに会う時間)は人一倍大切だと思っています。リモートの間に生じた認識のずれや、抱えている不安を解消できる貴重な時間なので。

チャットには、文字化したメッセージしか伝えることができないというデメリットがあります。でも実際には、「〜っぽいのがしたいっちゃけど、どうしたらいいっちゃかー…」のような言葉にできないモヤモヤした気持ちや考えってありますよね(笑)

そうした悩みや不安をすぐに相談・解消できるのは、やはりリアルに会う時間の強いところだと思います。

また、アイデアをブレストしたり、自分の守備範囲以外の情報を得たりできるのも、対面が得意とするところですね。最近のニュースサイトはレコメンド機能が発達しているので、どうしてもインプットが得意分野に偏りがちで、発想の幅が狭くなってしまいます。そういった点をチームで補うためにも、直接会う時間は有効に使うべきです。ただ黙々と作業をするだけではとてももったいないです。

最後に

自由度が高い分、自己管理能力が人一倍求められるリモートワーク。慣れないうちは簡単ではありませんが、自分の意識次第ではオフィスにいる時となんら変わらない、いやそれ以上のパフォーマンスを発揮することができます。

リモートワークが上手くいかなくなったときや、断念しそうになったときは、もう一度この「極意5つ」を読み返してみてください。

【リモートワークの極意】

その1.自分だけの時間を作ること。

その2.休息・気分転換は意識的に。

その3.積極的に雑談をする。

その4.勤怠共有は徹底的に。

その5.オフラインの時間を一層大切に。


ワーク・ライフバランス小室氏ら7名にトップインタビューをした
変われる会社の条件 変われない会社の弱点 (ワークスタイル変革実践講座) 」もご覧ください。



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