大学生のうちにレア人材への一歩を踏み出しておく。地方学生のアドバンテージとは?

2015年8月、教育改革実践家で元リクルート社フェローの藤原和博氏は、講演の中で次のように述べた。

自分自身をレアカード化しないと稼げる大人にはなれない

そして藤原氏はこう続けた。

「掛け算で100万分の1を目指せ」

(参考:藤原和博氏のビジネス講座「レアカードにならないと稼げない」

世の中には時給800円~80000円の人がいると言われるが、その違いは何か? 1日に8時間、月に20日に働くとすると、時給800円の人と、時給8万円の人の年収には、およそ1億5千万円ほどの差がある。

(80000-800)円/時間×8時間/日×20日/月×12ヶ月/年=約1億5千万円/年

 

オリンピック選手やソフトバンク創業者の孫正義 氏といった人たちは、100万分の1の人材である。100万分の1の人材は、1000万~1億円の年収を得ているが、どうすれば自分の時給をあげれるのか、どうすれば100万人分の1の人材になれるのか?

今回は、沖縄県名護市の名桜大学で行われた、ナレッジネットワーク株式会社代表取締役社長 森戸裕一氏によるキャリア講座を振り返る。

同氏は、上記の藤原氏の講演内容にも触れながら、学生の内にまずは100分の1の人材になるべきだと語る。本記事では、学生のうちに知っておくべき、レア人材になるプロセスやビジネスの本質に迫る。

もくじ

  1. レアな人材になるプロセス
    1. まずは100人に1人の人材になる
    2. 留学生やロボットに仕事を奪われる
    3. 自分が熱意を持って打ち込めることを考える
  2. 大学生でも仕掛けることのできるビジネス
    1. 授業の合間の数十分で稼ぐ
    2. 地方の不便さを活かす
  3. 新しい就活スタイルを考える
    1. 地方に住んでいるというアドバンテージ
    2. リモートで働く
  4. やりたいことを最短で実現する
    1. IoT(=モノのインターネット)の可能性
    2. 将来のために、お金を稼げるレア人材になっておく

1.レアな人材になるプロセス

まずはひとつのことに10000時間費やせば、100人に1人の人材になれると言われている。例えば、英会話は、本気で3000時間勉強すれば習得できると言われている。中学校と高校6年間での英語の学習時間は、授業と自己学習を合わせる1500時間と言われるので、あと1500〜2000時間頑張れば習得できるのではないか。

英語を日常会話で使っている国であれば、小さい子でも話している言語なので(笑)、能力に関係なく誰でも英語は話せるはず。話せるようになるかどうかは、それだけ本気で時間を使ったかどうか。

10000時間を年数で考えると、およそ5~10年間。大学時代に本気で何かに取り組んでおけば社会人になって早い段階で100人に1人の人材になれる。

まずは100人に1人の人材になる

仕事を初めて5年くらい経つと、その分野では一人前と言われ、それでやっと100人に1人の人材。

まずは、学生の世界で100人に1人と言われるようになる。それは、部活でも起業でもなんでもいい。次に沖縄の中で100人に1人と言われるようになる。その覚悟を持とう。

そして、さらにもう一つの領域で100人に1人になる。それら全部を掛け合わせると、100万人に1人になる。

レア人材になる

キャラが確立できると、偏差値では勝てないが、年収では上に行ける。特徴が明確になれば需要がある。

そのために自分のキャラクターを確立する。様々な要素を組み合わせてオンリーワンになると、その人にしかできない分野が出てくる。

頭が良い人は、100人に1人の領域を3つ掛けて100万分の1の人材になろうとしている。これができれば、間違いなく1000万プレイヤー。

留学生やロボットに仕事を奪われる

長崎県のハウステンボスにある『変なホテル』では、受付は全部ロボット。

そもそもホテル代が高い理由は、ホテルに関わる人(受付、ボーイ、庭師、清掃員などのスタッフ)が多いから。これを全部ロボットにするとどうなるか、ということに、ハウステンボス運営元のH.I.Sは取り組んでいる。

留学生にとって、日本語の練習にもなるコンビニバイトは良い仕事。逆に言うと、コンビニバイトというのは、留学生”でも”できる仕事。マクドナルドの仕事は、マニュアルがあるので大学生”でも”できる。

こういった仕事は奪われていく。まずは留学生に奪われ、次にロボットに奪われる。留学生やロボットに奪われない領域を設計することが大切。

いずれコンビニも自動化、無人化する。監視をしたり、数える仕事はロボットによって自動化。人間らしさを消してるのがコンビニ店員で、それは留学生やロボットでも代替可能である。

コンビニでバイトしてた人は、もっと時給の良い仕事をしたほうがいい。アルバイトにしがみつくと、ロボットに仕事を奪われる。

そこで、学生の内に100人に1人の人材になっておくことが必要。ひとつの仕事で専門家になって、他の分野にも長けているとなると、レアキャラになれる。

ほとんどの人は、1つのキャラで定年までいくことが多い。昔はその働き方が凄いと言われていたが、これからは難しい。であれば、3つぐらい掛け合わせてレアキャラになるべき。

自分が熱意を持って打ち込めることを考える

好きなこと、やりたいことなどを考えてみる。真面目に考えずに自分が打ち込めるものを。ゲームやアイドル好きなオタクでも何でもいい。

例えば『お笑いが大好き』
吉本興業と仕事をするのであれば、お笑いを知らなければならない。そうであれば、「テレビが好き」「お笑いが好き」であることが強みになる。

いま不安なのは、自分のキャラ設定ができてないから。

例えば花屋さんの息子で、既にお花に詳しいのであれば、JTBなどの旅行会社に入ってみる。すると、そこで働くことで旅行についてプロになるので、『お花に詳しい旅行屋さん』というレア人材になる。

韓国人は日本語を勉強するが、日本人で韓国語を勉強する人は少ない。いま韓国語を学んでいるとすると、それはチャンス。韓国語が話せることに加えて、観光やビジネスに詳しくなると、レアキャラになる。

ちょっとずつレアになっていき、キャラとしてたてば、何と組み合わせるかになる。

 

2.大学生でも仕掛けることのできるビジネス

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授業の合間の数十分で稼ぐ

NPO法人学生ネットワークWANでは、地域の情報を地域外に向けて発信している。

例えば、沖縄から福岡には新聞を配達してくれないので、沖縄の情報が分からない。番組も映らないので見れない。そこで、地域外に発信するためにインターネットを使う。

WANは、そういった全国の地域情報を毎日発信しているが、地域の人に頼まれているわけではない。自分たちが面白そうと思った地域の情報を発信していく。

その結果、佐賀県伊万里市のFBページは、1万件のいいね!がついている。

こういった情報発信を、現地には1回も行かずに授業の合間にカタカタやる。地元の人にしかできないことではない。その地域に住んだり、その地域の会社に所属せずとも、勝手に支援するともっと大きなお金を手に入れることができる。

これを実現するのが、授業の合間のたった数十分という時間。アルバイトをせずに、頭を使って稼ぐ。仕事の本質を知り、頭を使えば、その地域にアルバイトがなくても稼げる。

LINEやFacebook、TwitterなどのSNSの発達で、急な連絡や発信ができるようになった。だから、大学生は勉強に加えて仕事をしてはどうか。

地方の不便さを活かす

地方にいながら、新しいビジネスを作れる。不便なところにいるからこそ、その不便さを解決するために頭を使える。

東京の人が考えるビジネスは東京の人寄りだが、地方の人が考えたビジネスは全国の地方に展開できる。東京は人が多いからだいたい成功する。

自分が好きなところに住んで仕事する。ネットを使って仕事。その地で商売をするのではなく、その地から商売を仕掛ける。これを可能にするのがネット社会。

 

3.新しい就活スタイルを考える

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地方に住んでいるというアドバンテージ

今の就活スタイルは何十年も前から変わっていない。リクルートブック。これを使うと学校側も楽だから流行った。

昔は、学生を大量に採用・教育して、現場に大量にばらまくのが常識だったが、現在は情報を色んな所から入手できるので、インターンシップなど、欧米型の就活も可能になった。

一番良い就活は、インターンシップで入った企業に居続けること。地方にいても、ネットを使えば東京の企業にインターンできる。

「そんなことしていいんですか?」と言う学生もいるが、法律を破っているわけではないので問題ない。誰もやっていないのであれば、逆にレアキャラになる。東京の学生がそれをやっても普通。

地方学生の1番のアドバンテージは、地方に住んでいること。それが強み。地方に住んでることをうまく使いながら自分の行きたいとこ、やりたいとこにつなげていく。

リモートで働く

東京の満員電車の原因は、多くの企業が就業時間(9:00~17:00)を変えないから。オフィスも特定のエリアに密集している。

電車が止まるとタクシーを使ったり、わざわざ交通費を使ってオフィスに来る。オフィスに着くとメールの確認をしてるが、それは家にいながらスマホでも確認できる。

昔はスマホがなかったから、オフィスに来るしかなかったが、今は家でもできる。9:00から在宅で仕事を始め、午後の会議の時間から出社してもいい。下手すると、会議もスカイプで参加できるので出社の必要もないかもしれない。

ネットを使えば、どこにいても色んなことができる。

例えば学校の授業は、先生が前に立って話すのではなく、生徒がわからないことを先生に聞くスタイルも出てきた。

慶應義塾大学では、生徒がわからないことをツイートすると、先生が拾って解説する。このような取り組みが増えることで、これから勉強も面白くなる。

 

4.やりたいことを最短で実現する

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IoT(=モノのインターネット)の可能性

色んなものにインターネットが繋がる。テニスのラケットやラグビーボールなど。パス回しやノックオンポイント、トライのポイントなどを記録していく。

スポーツのラケットやボールなどにもインターネットを繋げ、様々な情報を記録・分析していく。すると、一流選手のデータから学べるので、素質のある人はもっと早い段階でトッププレイヤーになる。

最先端の技術を使うと、自分のやりたいことを最短の時間で実現できる。ネットが発達してるので、昔の人より学びやすい。キャラの設定を間違わなければ、好きなことも実現できる。

みんなが同じような人になろうとするので、違うキャラになればいい。それほど難しいビジネスはやっていない。

将来のために、お金を稼げるレア人材になっておく

文系・理系は関係ないし、社会人・学生も関係ない。早く動いた人が稼げる。儲けたお金を次に繋げる。良い循環を作っていく。

将来の夢がなければ、お金を稼げるレアな人材になっておく。レアな人材になると、自宅にいても仕事の依頼が来る。自分で新しい組み合わせを考えていく。

100万分の1になるためにいくつかの要素を組み合わせることで、30~40歳ぐらいになったときには、日本でも有数な◯◯さんになる。そうすることで、将来夢ができた時に資金があるので実現しやすい。

今の若者は、何十年か後には老人を5人ぐらい背負わなければならないので、稼がなければならない。奨学金を借りている人も多い。所得を増やすには、複数のキャラを組み合わせることが必須。


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